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改革を望む県民世論、平和の願いと田中康夫氏との落差
 今年7月に行われる参議院選挙に、田中康夫氏が新党日本から比例区候補として立候補することが発表されました。比例選挙は政党間のたたかいであり、日本共産党は正々堂々と政策論戦を行います。
 田中康夫氏は、6年間長野県知事をつとめ、昨年の知事選挙で落選しましたが、53万票という得票をえて、県民の中に「理念」についての共感もあり、一応「改革派」の人物とされています。しかし、知事選後次々と明らかになってきた、田中氏の政治的スタンスは、「改革」を願う県民の思いとは大きな落差があることを指摘しなければなりません。

  新党日本は首班指名で安倍晋三氏に投票

 昨年秋、安倍首相が登場した首班指名選挙で、田中氏が党首をつとめる新党日本の荒井広幸参議院議員は、当時「新党日本」と統一会派を組んでいた「国民新党」の綿貫氏ではなく、安倍晋三自民党総裁に投票しました。
 あまりにあからさまな背信行為に、国民新党から抗議をうけ、統一会派解消を申し入れられました。
 この直後の十月一日のNHK番組「日曜討論」で、荒井氏のとったこの行動について、党首として説明を求められた際、田中康夫氏は、荒井氏が安倍氏の父親とのゆかりにふれて、「安倍氏との決別宣言だ」などと意味不明のことを言って、あとはその質問とは関係のない話を長々とやって、この問題についてはついに国民に対して誠意ある説明はありませんでした。
 いま、安倍政権が靖国派と呼ばれる右翼集団によって基本的に構成がされ、しゃにむに憲法改悪と暮らし破壊の「暴走」政治とも言うべき事態に国民の批判が高まり、内閣支持率は急落しています。
 このような人物に「国の政治をおまかせします」と首班指名で投票したことを、いまだに党首として国民が納得できる説明をしていません。「信じられる日本へ・新党日本」のスローガンを掲げている公党の党首を名乗るにしては、あまりにも不誠実、無責任ではないでしょうか。

  海外派兵に道を開く改憲の立場を表明

 週刊誌「SPA」6月12日号の「田中康夫東京ペログリ日記」に「憲法9条は1条も2条も残し、新たに国際救助・救援隊として自衛隊を位置付ける3項を『加憲』すべき」「津波を始めとする天変地異、あるいは戦渦や内乱に巻き込まれた地域にくらす人々の救助救援や医療支援、住宅再建に真っ先に駆けつける『サンダーバード』としての日本をめざす」と書いています。
 そして、「憲法9条に関しては意見が一致する」として公明党の太田昭宏代表と会って、「お互いに顔は似ている」とエールを送ったことを得々として書いています。
 救助・救援に軍隊は必要ありません。わざわざ憲法を改定し、自衛隊を海外に送れるようにしたいということは文字どおり海外派兵への道をひらく議論です。
 田中康夫氏と公明党が一致した意見だという「加憲」というのは、平和憲法の理念を踏みにじる憲法改悪をごまかす議論ではないでしょうか。
 日本が過去にやったアジア侵略の戦争を「正義の戦争だった」と主張している「靖国史観」を学校教育に押し付けることを目的に結成された、「日本の前途と歴史教育を考える議員の会」の勉強会に、「新党日本」の荒井広幸幹事長と滝実総務会長が参加しています。
 このように、新党日本の現職議員は「靖国派」のメンバーです。
 田中康夫氏は護憲・改革の人と信じている県民もいるかと思いますが、実態は「海外派兵に道をひらく、改憲の人」と知ったらどんな思いでうけとめるでしょうか。

 日米安保を護れとアメリカいいなり政治を容認

 「SPA」のこの号には、軍事ジャーナリストの小川和久氏と田中康夫氏との対談が掲載されています。
 このなかで、小川氏が「今と同レベルの安全を保つためには、日本の自衛隊の兵力は現状の約二四万人から一二○万人くらいまで増やさなければなりません」「防衛費は年間三○兆円近くかかることになる。」と語っているのを受けて、田中康夫氏は「そのコストをカットするため、国民皆兵(徴兵制)の話も出てきます。」「福祉や教育にお金を回すどころの話ではないですね。在日米軍駐留経費の『おもいやり予算(平成19年度2173億円)のほうが遥かに負担は少ない」などとのべ、さらに、「もし軍事的に自立するとしたら、国民にどれだけ負担がかかり、逆に安保が存在するおかげでどれだけ利益を受けているのかを冷静にわかりやすく説明することこそが政府に求められているのですね」と語っています。
 そして結論として田中康夫氏は、「そのためには、日米同盟関係を積極的に評価すべきだと。9条護憲の社民党や共産党のみなさんこそ、安保を護れと主張すべきなんだ」とここまであけすけに日米安保擁護論をぶっています。
 「日米同盟」とは文字どおり軍事同盟です。軍事同盟優先で、異常なアメリカ言いなりの政治が横行しています。
 在日米軍基地の機能の強化が押し付けられ、沖縄の米海兵隊のための新基地建設、横須賀基地への原子力空母の配備、山口県岩国基地への空母艦載機移転など地域住民の反対の声を無視して強行してきています。
 日本国内の米軍基地の建設に税金を投入するだけでなく、グアム島の米軍基地に3兆円も出そうとしています。思いやり予算の二千億程度の話ではありません。
 憲法改悪の動きも、軍事大国化の動きも、アメリカのはじめる戦争に海外で戦争ができる国づくりのためのものです。
 いま世界では、国際紛争を軍事的やり方ではなく、外交的な努力で解決しようという動きが広がっています。
 そして憲法9条を、国際社会の平和秩序をつくっていくうえでの指針、とりわけ東アジアでの平和と安定の秩序をつくる上での指針として評価する動きも広がっています。
 世界中の多くの軍事同盟が解体もしくは機能停止状態になっています。
 アメリカでさえ、北朝鮮問題では、軍事一辺倒ではなく、外交的努力を重ねています。
 こういうときに、平和と安全の確保をもっぱら、軍事的対応にたより、何の根拠も示さずに一二○万人の自衛隊が必要だとか、三○兆円の軍事費がかかるなどという議論で国民をおどして、日米安保を護れなどと言うのは、平和を求める日本国民の願いからも、世界の流れからもあまりにもかけ離れたものといわざるを得ません。
 日米安保条約にもとづくアメリカ言いなりの政治は、日本経済のさまざまな分野に「規制緩和」が押し付けられて、非正規雇用の増大による労働条件の悪化、地域経済の破綻、BSE牛問題など国民生活のあらゆる分野に被害をもたらしています。
 田中康夫氏は、このような世界に例のないアメリカいいなりの政治の現実から目をそむけ、「安保があるから国民益になる」と詭弁までのべて日米安保条約を堅持している自民党、公明党、民主党と同じ立場であることを表明したものです。

 権力にすり寄り、県政改革を妨害する政党に
 媚をうる節操のない姿

 田中康夫氏の新党日本が、安倍内閣誕生に一役買い、田中氏本人も改憲派であり、日米安保擁護の人だとは、いままでの田中康夫氏に抱いていた長野県民のイメージからすれば、こんなにも権力にすりよった立場にたっているなんて、信じられない人もいるでしょう。しかし、残念ながら、これがいまの田中康夫氏の政治的立場です。
 憲法・安保という日本にとってもっとも大事な基本問題で、自民党とも民主党ともまったく変わらない姿をみせて、権力にすりよっている哀れな姿を示しています。
 田中康夫氏は、出馬会見で記者の質問に答えて、自民党と民主党が拮抗したとき、新党日本としては、どちらと連立を組むかについては明言せず、自民党もありうることを否定しませんでした。
 今回の「SPA」の記事は、日米安保条約堅持、改憲派の自民党、公明党、民主党に、連立にあたって「ご安心ください」というサインなのでしょうか。
 田中県政の6年間自民党、民主党、公明党、そして社民党の一部が、県民の願う県政改革をどれほど妨害してきたかわかりません。民主党などが先頭にたって、知事不信任まで提出して妨害をしたのです。
 知事在任中は、突然民主党の応援団長になったり、民主党の『影の内閣』の閣僚名簿に名をのせ、今回は公明党に「加憲」では同じとエールを送るなど、こういう勢力に媚を売ってすり寄っていくとは、あまりにも節操のない話ではないでしょうか。
 このように、田中康夫氏の現在の政治的立場は、改革を願う県民にそむくものです。

 県政改革は長年にわたる県民の運動と
      日本共産党との共同による成果

 田中氏は、「長野革命を全国へ」と言っていますが、長野県政がすすめてきた県政改革の主なものは、すべて長年にわたる県民のたたかいとむすびついたものばかりです。
 浅川ダムは、吉村県政の時代に、住民運動の力と日本共産党の議会での奮闘で、ダム本体の発注を6回も延期させてきました。田中県政の時代にも、ダム推進派の策動を許さない県民の運動がひろがり、このたたかいは、村井県政が「穴あきダム」を言い出してからも、引き続き粘り強くすすめられてきています。
 三月二一日、宮地良彦信大名誉教授・長野県治水・利水ダム等検討委員会委員長、野口俊邦信大教授・元長野県公共事業評価監視委員会委員長などの参加のもとに、「浅川治水緊急シンポジウム」がひらかれ、一五○人が参加しました。
 六月二日には、「浅川にダムはいらない県民集会」と浅川現地見学会に、のべ四百人の県民が参加しました。
 残念ながら、知事をやめた直後の田中康夫氏は、「ダムはもうできるんです」とダム建設が焦点の県議選や「ダム反対」の運動にはほとんど姿を見せていません。
 三十人規模学級も、毎年数十万という署名を集めてきた先生たちや父母のみなさんの長い間の取り組みがありました。田中康夫氏は当初、三十人規模学級より「教員の資質向上だ」などと言っていましたが、県民の運動と日本共産党などのねばりづよい提言を受け入れて実現したものです。
 乳幼児医療費無料化の話も、「病院がサロン化する」などと、陳情にきた若いお母さんたちを悲しませたこともありましたが、お母さんたちの粘り強い運動と日本共産党の論戦で実現しました。
 税金の使い方も、大型公共事業優先から、暮らし、福祉・医療・環境に重点をおく予算に大きく転換しました。
 日本共産党は吉村県政の時代から、公共事業優先から県民生活優先に切り替えることを一貫して主張し続けてきました。村井県政になってからも、県政の後戻りを許さないたたかいの先頭に立って奮闘しています。
 これらの経過は、改革の主役はあくまで県民であり、この県民の運動と日本共産党の活動、そして、県自身の独自の努力とが力を合わせたときに、改革が前進できたことを示しています。
 また、田中県政が県民の反対の声を無視して、高校統廃合を強行しようとしたとき、反対に立ち上がった大勢の県民の運動と力を合わせて、高校設置条例の改正を提起して、阻止することができました。
 このことは、県民が主人公であり、県政を動かしてきたのはあくまで県民自身の運動であることを示しています。

 日本共産党がのびてこそ
 政治の改革と平和を求める県民の願いに応えるなによりもの
 保障です。

 日本共産党は、この四月の県議選で七議席に躍進しました。
 いっせい後半の選挙の結果、長野県の九九・七%の人が住んでいるところに一四○人の市町村議をもつことができました。
 県議・市町村議が力を合わせて、公約実現と住民のみなさんの要求実現のために奮闘しています。
 日本共産党は、九条をはじめ憲法改悪に反対し、平和と民主主義をまもり、アメリカとの関係は、従属でも敵対でもなく、真の対等平等の友好関係をめざします。
 極端な大企業言いなりの政治を改めて、働くルールを確立して、格差社会の是正をすすめます。
 この党が伸びてこそ、長野県民の政治の改革を望み、平和への願いに応えるものになるのではないでしょか。
 日本共産党が比例区で五議席を確保して一○議席になれば、日本共産党が加わる党首討論ができるようになって、国民の声がもっと国政に届くようになります。
 そのために比例区・全国で六五○万票、長野県で十六万五千票はどうしても必要です。
 長野県のこの比例区の得票目標絶対確保のために、お力を寄せていただくように重ねてお願いします。

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