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「浅川の河川整備計画」(原案)に対する公聴会の公述2007年5月19日石坂 千穂 私は、たとえ穴あきダムであっても、浅川へのダム建設は安全性が不安です。今回の原案では、ダム建設地周辺には地滑り防止区域があるが、ダム貯水池は地滑り地ではないから安全だとしています。本当にそうでしょうか。 私は、昨日、改めて、奈良県川上村の大滝ダムへ調査に行ってきました。平成15年3月に完成した大滝ダムは、試験湛水から1ヵ月後の4月、ダムサイトから4キロ上流の白屋地区に地割れや亀裂が発生し、調査の結果、ダムを造って水をためたことが原因であることが明らかになり、現在、白屋地区約50戸は全戸移転、ほとんどの家屋が解体されている最中でした。このための地滑り対策費用は約250億円、ダムは4年たった現在もゲートは全開、自然放流でダムとして使用されていません。 国土交通省近畿地方整備局河川部建設専門官とダム管理事務所副所長さんのご説明によれば、白屋地区は地滑り指定地でも、地滑り防止区域でもなく、事前の調査では確認された地滑り対策は充分にしたとのことです。従来の常識では、過去に滑った形跡のある地盤に起こるはずの地滑りが、この地区では、事前に予想できないところで滑ったのだそうです。このため、大滝ダムでは、平成23年までかけて、他の2つの地区でも新たに160億円、合計410億円の地滑り対策工事を行ないます。地滑り地を周辺に抱える場所へのダム建設は、次から次へと際限なく対策工事と税金を使い続ける可能性があり、しかも安全性の保障は無いと言うことがあきらかです。国の担当者は、「こんなことになるとは思わなかったが、今さら造ってしまったダムを壊すわけにもいかない。」と言っていました。 私は、古くは論電が谷池の決壊、22年前の地附山地滑りの被害を経験している浅川流域で、同じようなことが繰り返されないように、当面20年間で目指す浅川の治水対策から、ダム建設ははずしていただくことを提案します。 私たちが基本高水450トンの問題を、当面、議論の中心にしないのは、判断する材料のひとつの流量調査が終了していないため充分な検証ができないこと、また、たとえ浅川の治水計画の基準が100年確率450トンであっても、下諏訪ダムや蓼科ダムが計画されていた諏訪圏域の河川や、浅川との関係が深い千曲川や、日本中の圧倒的多数の河川で、20年間の計画の中ですぐに100%基本高水の水準を達成するとしているところはほとんど無く、どこでも実現可能な対策から実施しているからです。現在の浅川の基本高水は、流量調査も行なわないまま、降雨パターンのいくつかを計算式に当てはめて計算した結果のひとつにすぎず、絶対的なものではありません。県は、流量調査の期間が5年で短くて充分な検証が出来ないのなら10年でも20年でも調査し、流域住民の命と安全に責任を負える検討をしてください。 この間の議論の中で、ダム建設に賛成の人も、反対の人も、みんなが一致できる浅川の治水に必要な対策は、下流部の内水災害緩和のための遊水地の設置と排水機場の強化、浅川の水害の最大の原因となっている千曲川の抜本的な改修促進です。 今回の原案では、遊水地の具体化がされていませんが、遊水地を先送りして排水機場だけ強力にしても、千曲川の改修が進まない現状では、かえって排水ポンプを動かせる時間が短くなるだけで、せっかくの排水ポンプの効果も半減し、内水災害も緩和されません。 住民みんなが一致でき、浅川で現実に起こる災害に効果のあることから優先する計画の策定を強く要望します。
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